アラフィフは
定年へまっしぐら
こむパはこむぎ(白柴)のパパだから。
定年後の人生設計を50歳後半から始めたこむパ。
10年以上の単身赴任で鍛えた目利き。
そして定年後のお金の話。
今まで仕入れてきた情報と勉強してきたものを
自分の中で整理しています。
師匠からの手紙 PR

特別連載しかけ通信3 一番大切なお客様は日本人?

記事内に商品プロモーションを含む場合があります

『自分の生まれ育った街に多くの観光客に来てもらう』北海道で知り合った素晴らしい志の持ち主である方の執筆文を連載します。毎週メルマガで送っていただいていた『まちが素敵になるしかけ』<しかけ通信>を許可をいただきましたので配信させていただきたく思います。今回は10年以上前に考えていたインバウンド需要活性化のお話です

2016年度の北海道観光客は道民が主流だった

2016年、北海道の観光入込客数は5466万人でした。
内訳は道外(県外)観光客が594万人、外国人観光客が230万人、
つまり、84.9%は同じ北海道の中の道内観光客だったということです。
(前年度は85.7%)

ちなみに観光入込客数とは国の基準に従って都道府県が調査するもの。
決められた観光地点やイベントに訪れた人数に基づきます。
観光目的とビジネス目的、宿泊と日帰りに分けて調査を行っています。
一人の観光客が複数の地点を訪れても1人回と数えます。

国内需要を歓迎していた地方行政と宿泊機関

国をあげて観光立国を目指し、インバウンドを増やそうとしていますが、
一番大切なお客様は日本人だという意見は根強く、その通りだと思います。
これまでお会いした首長さんやホテル業界のみなさんもまた、
インバウンドの可能性の大きさ、成長性や取り組むことの必要性はわかっていても、
日本人観光客こそが大事なのだと力を込めます。
しかし、だからといって、このまま変わらなくていいわけではありません。
いまのままでいいということではないと考えています。

インバウンド需要開発が必要な理由

世界の旅行市場は向こう20年は成長すると言われています。
国際旅行者数は5割増(2016年12億人→2030年18億人)という予想。
東アジア、東南アジアの海外旅行ブーム(2010年9.4億人→2030年13.6億人)で、
毎年1億人を超える中国人が海外旅行に行くようになったといいます。(毎年1千万人増)

社会が成熟し、情報が拡散され、「旅を楽しむ(New Tourism)」時代となりました。
モノからコトへと人々の興味の対象は移り、
要求されるサービスは多様になり、改善され続けています。
日本人観光客が望む水準もこうした変化を追いかけていきます。

ぼくらの気づかなかったコトに外国人観光客が気づき、それは『価値』になります。
そして新しいブランド(旅の目的)となり、ぼくらもまたそれを楽しみたいと思います。
つまり、旅の楽しみ方を外国人観光客が教えてくれているということです。

インバウンドに取り組むことのもっとも大きな意義は、
地域が連携して取り組む『きっかけ』になるということだと思います。
わざわざ遠くから多くの外国人観光客に気づいてもらい、来てもらうためには、
地域で客の奪い合いをする前に、エリア全体が魅力的でなければなりません。

そのことがまた、多くの日本人観光客を喜ばせてくれることになります。

外国人が増えると日本人が逃げる?

今後どんなに外国人観光客が増えるにしても、
比率として日本人の方が多いのは変わらないよね、と訊かれます。

外国人観光客が増えると、日本人観光客が逃げていくんだよね、と言われます。

そうかもしれません、が、
だから外国人観光客はお断りするというのではなく、
ではどうしたらいいのか、を考えるべきだと思うわけです。
遠くまで来てくれている人を邪険にするのはどうかと思います。

観光は外から稼ぐ力を持った産業であるとともに、
域内の自然(つまり無料のものですよね)を観光消費に結びつけて、
域内循環を高めていく可能性を持った産業だ、
と小磯修二先生が書き記しています。

インバウンドによる観光消費よりも海外投資による資金流入への仕組み作り

大切なことは、観光客による消費だけでなく、
海外からの投資を含めた資金流入を
長期的な視野で持続的に
地域がしっかりと受け止めていく仕組みを作り上げていくことだと、小磯先生。
まさに、そのとおりだと、ぼくも思います。

インバウンドに取り組んで(インプット)、
外国人観光客が増えること(アウトプット)は
単なる結果であって目的ではありません。
その成果として、消費額が増えて
地域経済が活性化すること(アウトカム)は期待するところですが、
より期待したい効果・影響(インパクト)は
長期的・持続的・広範囲な「変化」が生まれることではないでしょうか。

北海道に国内外から多くの観光客が訪れ、
また今後も訪れると思われることで、
新たな投資・雇用が生まれ、企業が成長することを求めていきたいと思います。

変化する物こそが生き延びる

『強い者、賢い者ではなく変化する者こそが生き延びる』とはダーウィンの言葉ですが、
企業・産業もまた変化し続けることで成長し、生き延びるのではないでしょうか。
国内客をターゲットにした従来のビジネスモデルを見直すタイミングが訪れています。
変化を恐れず、嫌わず、チャンスだと考えるべきだと思うわけです。

こむパの所感

2025年の今ではすっかり定着したインバウンドという言葉。10年前からこれを真剣に考えていた師匠たちの努力があってこその話だと実感します。排他的な考えだと『うちわで楽しめればよい』というのが当たり前だったのですが、成長のためには変化を受け入れていく大切さを実感します。
こむパ自身は新しい事が大好きなので、アラカンの今でも『新しい事い挑戦したい』『面白いことをやっていきたい』『どこかに面白いことないかな?』と常に思っています。

最近ではオーバーツーリズムとなっていますが、これも受け入れ側がうまくコントロールする力。単に受け入れ拒否という後ろ向きではなく、なんとか共生しながら前に進む人間の知恵が試されているように感じました。

また毎日見ている何気ない姿が外国人にとっては目新しく映るようなものが観光資源になったりしています。十勝のジュエリーアイスはNYタイムズが報道したことが、きっかけになったことは前述しました。

互いの目線が異なっているからこそ価値観の多様性が出てくるのでは?と思いにふけるこむパでした。
最後までお読みいただきありがとうございました。

ABOUT ME
こむぎのパパ
中学時代の顧問の先生の影響で高校英語教師を目指す。 教育実習後、産休教師として夢の教職に就いたが挫折し半年で退職。 外資系企業に就職し最近は地方の支店長として日本各地を転々。 そのおかげたくさんの人や場所に触れ合うことができました。 野球は関西人のくせに生まれた時からドラゴンズブルーの血が流れています。