ウクライナ問題や中国などの大国の経済成長に伴う原油価格の高騰はこの数年間ニュースの話題としてだけでなく、物価高騰の原因にまで取り上げられるようになっています。
そんな中、『日本で人工石油の実証実験』『人工石油で1リットル10円に?』という記事も見かけました。すごく気になる記事なので検証してみました。
二酸化炭素と水を使って石油を作り、更に消費するときに同じ量の二酸化炭素を排出するというので『プラスマイナスゼロ』と言われているこの理論ですが従来の代替エネルギーは問題視されている二酸化炭素の利用は減らすということに注力されており、利用して消費されればまた同じ量排出するという考えとは異なります。
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50年前に枯渇すると言われていた油田
1970年代に二度のオイルショックを経験しました。更にそれを助長させていたのが『油田に埋蔵している量と毎年算出している量を計算すれば世界の油田はあと30年で完全に枯渇する』と言われていました。
しかしそのあとに新しい油田が発見されたり、消費面でも『天然ガス』や『シェールガス』の開発によって年間消費量も減っていき現在では『油田は50年以上枯渇しない』と言われています。
シェールオイル開発によりアメリカが有数の産油国へ
地下深くに眠る頁岩層に埋蔵されているシェールガスやシェールオイルは以前から中東に集中する油田以外にも代用できるエネルギーとして知られていましたが、その採掘にかかるコストが高額であったために、開発に関心がありませんでした。
そんな中でのOPEC諸国での価格高騰等を背景に採掘コストが合致すると判断したアメリカのエネルギー会社は一気にシェールガスとシェールオイルの開発を推し進めていきました。結果としてアメリカは有数の産油国となり現在のアメリカ経済の成長を支えている根幹にもなっています。
人工石油への疑問
そんな中で資源不足の日本は、海洋資源が豊富なことに着目し、海底にあるメタンハイドレートの採掘を手掛けていました。しかし現在では採掘コストが高すぎるために頓挫している状態に思われます。またメタンハイドレートは温暖化の原因や地震への影響も憂慮されるような記事も見かけました。
そんな中での明るい今回の人工石油(人造石油)ですが本当に実用化の可能性があるのでしょうか?
理論的には成立するが開発コストが問題
経済産業省が公開している資料の中でもはっきりと人口石油(e-fuel)の存在は認めています。しかし一方で製造コストが1リットル当たり300円~700円という試算になっています。
前述の1リットル10円の話は開発が進めばという可能性を秘めているという意味だと解釈しています。
2050年には実用化?
そんな中でe-fuelは開発研究を繰り返し2050年ごろには実用化が期待できるのでは?という記事を読みました。僕は120歳まで生きようとしていますので、この結果は充分に見ることができると思っています(笑)。